会社の創業者や会長
社長や役員、顧問
会社に多大な貢献をした人
業務中の事故などによる殉職者
に対して、会社が執り行う『社葬』。
参列者が大人数となる『社葬』は、会場の規模や内容によって異なりますが、
平均300万円~1000万円以上
の葬儀費用が掛ります。
また、会社が主催し、費用を負担することから、会社の経費として処理することが可能です。
そのため、中小企業では、遺族と会社が費用を負担する『合同葬』で行われるケースも多いものです。
では、葬儀費用として経費に計上できる内容は、どの程度の範囲なのでしょうか?
そこでこの記事では、『社葬』に掛かる費用の経費として処理できる範囲について紹介していきます。
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社葬の費用と経費の範囲|福利厚生費で財務処理ができる社葬の経費範囲について
まず『社葬』は、
福利厚生費
として税務上処理されます。
そして税務上処理の為には、
葬儀委員会の議事録
が公式な税務用資料として必要になるため、葬儀委員会を発足後すぐに議事録を作成します。
そして、早急に葬儀社と打合せを行い、葬儀に掛かる全ての経費見積りを作成します。
また『社葬』の費用を経費計上するためには、全ての出費に対して領収書を取っておき、内訳を明確にしておく必要があります。
しかし、葬儀に関わる費用が全て認められる訳ではありません。
そこで次に、『社葬』として経費と認められる範囲や項目について紹介しましょう。
社葬の経費の範囲と項目
まず大前提として、会社が負担する費用は、
社葬を行うため通常要すると認められた部分の金額
である必要があります。
通常要する費用の範囲としては、以下のようになります。
【費用として処理ができる内容】
社葬の通知や告知の為の費用
駐車場、臨時駐車場の費用
祭壇、祭具の使用料
供花、供物、花輪の費用
屋外設備の使用料(テントや照明など)
受付、会計などの備品の費用
宗教者に対する御布施など
送迎の配車費用(遺族、来賓客)
警備関係の費用(交通整理、式場警備)
飲食費
会葬者への礼状や、お礼の粗品
しかしながら、葬儀を行うために必要と考えられる費用でも、費用として処理できない内容もあります。
例えば、ホテルやレストランでのお別れの会で、
儀礼を伴わず会食が中心
の場合、損金処理できない場合もあります。
理由としては、『社葬』はあくまでも『福利厚生費』として処理されるため、会食中心の場合『接待交際費』として判断される可能性があるからです。
また、『社葬』を行う場合、事前に遺族で『密葬』が行われます。
そのため、『密葬』に関わる費用も、損金処理ができません。
代表的な内容は以下のようになります。
【費用として処理ができない内容】
戒名代
法事費用(法事の飲食代など)
棺代、骨壺代
火葬料金
死亡診断書費用
仏壇、位牌
墓地、墓石の購入費用
遺族の香典返し
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社葬の経費計上での注意点
『社葬』の費用が損金処理されるためには、一定の基準があります。
それは、『社葬』を行うことが社会通念上相当と認められ、社葬のために通常要すると認められるかという点です。
そのため、『社葬』の支払いが一般的に見て過大であると、税務署が判断した場合、領収書がしっかり残していたとしても、損金処理できないケースがあります。
損金処理できない場合、
故人への退職金
賞与の一部
とみなされ、遺族に税務負担が掛かってしまうのです。
社葬での香典の処理
『社葬』の場合、『香典』の受け取りは、
遺族
会社
どちらかが受取ることになりますが、一般的には遺族が受取ることがほとんどでしょう。
また『社葬』では、遺族が『香典辞退』するケースも見られます。
基本的な流れとしては、受付係が『社葬』期間中保管します。
それから香典リストを作成し、香典と香典リストを遺族に渡します。
なお、会社が香典を受取るか、遺族が香典を受取るかで、課税・非課税が異なります。
遺族受取り ⇨ 非課税
会社受取り ⇨ 収入として計上し課税対象
なお遺族が香典を受取る場合、
香典返しの費用は遺族負担
となり、費用として処理することができません。
まとめ
今回は、『社葬』に掛かる費用の経費として処理できる範囲について紹介しました。
会社が費用を負担し、執り行う『社葬』。
会社を代表する人物の葬儀であり、会社の宣伝の意味合いもある『社葬』は、その規模も大きく、参列者も大人数が集まります。
その分、葬儀に掛かる費用も、一般的にな葬儀と比較にならない程、高額な費用が発生します。
ですが『社葬』は、『福利厚生費』として、税務上処理が可能です。
『社葬』で葬儀の準備・運営に関わる人は、会社でも限られた人たちにはなりますが、経費として損金処理が可能な項目、処理ができない項目を理解して下さい。
そして、過大な内容とされ、遺族に税務上の負担を掛けない様、内容には注意をしましょう。
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