新型コロナウイルス感染症で亡くなった方の火葬や葬儀は、
令和2年7月29日
に通知されたガイドラインに沿って行われてきました。
そして、ウィズコロナの考え方が広まり、
令和5年1月6日
に、『コロナで亡くなった方の葬儀に関するガイドライン』が改訂され、火葬や葬儀の内容も緩和されています。
しかし、実際に葬儀を執り行う現場目線では、なかなかガイドライン通りにいかない現状もあります。
そこでこの記事では、コロナ感染者の葬儀の緩和と、ガイドライン改訂後の現場の状況について紹介していきます。
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コロナ感染者の葬儀の緩和|普通のお葬式が可能?納体袋がいらない新しいガイドラインについて
厚生労働省が出しているガイドラインを元に、
遺体を納体袋に納める
遺体に触れることを控える
火葬時間、火葬場内の導線を分ける
亡くなった当日、もしくは近日中に火葬
という対応を、新型コロナウイルス感染症で亡くなった方に行っていました。
また、ガイドラインで納体袋は、
顔の部分は透明
といった、遺族の感情に配慮することが推奨されています。
ですが、コロナ禍による仕入れ、流通の不安定さや、価格の高騰によって、厚生労働省が推奨する顔の見える納体袋が入手しずらく、一般的に手に入る顔を見る事ができない納体袋を使用していた状況にありました。
それどころか、通常の納体袋も品薄状態となってしまい、確保することが難しい時期もあった程です。
そのため、最後に顔を見る事ができず、
遺族のグリーフケア
を考えれば最悪の状況で、亡くなったことを実感できない方も、多数いらっしゃいました。
上記のような状況を鑑みて、ガイドラインの改定が行われ、
体液の漏出を防ぐ処置を行えば納体袋は不要
遺体に触れた後、手指の消毒をすること
火葬時間、火葬場内の導線は分けない
通夜、葬儀も通常通り行うことができる
というように、大幅な内容変更があったのです。
旧ガイドラインでも一般的な通夜、葬儀は可能だった!?
実は、厚生労働省の発表した旧ガイドラインで、
通夜
葬儀、告別式
を行うことに規制はされていません。
そのため、コロナ感染症で亡くなった方の遺族の中には、亡くなった当日に火葬が行われることに疑問を抱いた方もいることでしょう。
しかし現実的には、
葬儀場
火葬場
といった実際に葬儀を行う場で、制限が掛かりました。
制限の内容としては、亡くなった方がコロナ感染者の場合、
通夜、葬儀の禁止
火葬の立会い制限
収骨の立会い制限
といった内容で、施設ごとに多少の違いがありました。
最も規制が厳しい火葬場では、遺族が火葬場に立ち入り禁止となっており、対面や焼香もできず、代理で収骨された遺骨を渡されるのみという対応でした。
その後は、遺骨で葬儀を行う『骨葬』や『お別れの会』を行う方や、世間に知られたくないという理由から、ごく一部の人にしか知らせないなど、遺族の考えによって様々な対応がされました。
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ガイドライン改訂後の現状
では、ガイドラインが改訂され、現在は普通に通夜・葬儀が行われているのでしょうか?
現実的に現場では、コロナ以前に戻ったとは言えません。
なぜなら、斎場や火葬場、病院からの指示によって対応が変わるからです。
遺体からのコロナ感染のリスクは非常に少ないと、ガイドラインを含め世間的には言われています。
しかし、現場からの感想を言わせてもらえば、感染リスクはあります。
遺族の希望で納体袋を開け、その現場にいた遺族・葬儀社スタッフがコロナ感染したケースも聞いています。
とはいえ、ガイドライン改訂後、どこの火葬場・斎場でも緩和はされています。
通夜、葬儀を含め、依然と同じ
火葬時間が一般の人と同じ
納体袋に入れる必要がない
対面して焼香、収骨が可能
収骨はできるが、火葬は立会い不可
納体袋での搬送、火葬
上記のように、火葬場・斎場によって緩和された内容は異なります。
現場で働く葬儀社としては、各施設の
指示に従うことしかできない
というのが現状です。
つまり、どんなに遺族が希望を伝えても、
希望通りにはならない可能性がある
というのが現実的で、希望を叶えるためには、対応可能な火葬場や斎場に別料金を支払って申し込むしか方法はありません。
ガイドライン改訂後の葬儀社の本音
ガイドライン改訂後の、
納体袋に納める必要がない
感染リスクは少ないので通常の対応
上記の2点に対しては、正直戸惑いがあります。
なぜなら、実際に病院などからの搬送、安置後の納体袋を開けての対応などの場面で、コロナ感染している現状があるからです。
確かに、
通夜、葬儀を行うことができる
対面してお別れができる
火葬時間、火葬場内の導線は分けない
という点に対しては、遺族の心のケアを考えても賛成です。
しかし、いくらウィズコロナとは言え、高齢者が多数関わることが多い葬儀にとって、感染リスクは極力抑えたいのが本音です。
抜本的な治療法がないこと、2類感染症からインフルエンザと同じ5類感染症へと変わること、などを考慮すれば緩和していくべきなのですが、まだまだ感染リスクに不安を感じてしまいますね。
まとめ
今回は、コロナ感染者の葬儀の緩和と、ガイドライン改訂後の現場の状況について紹介しました。
治療法が確立されておらず、次々に変異種と姿を変える新型コロナウイルス。
ウィズコロナの波は、葬儀業界にも訪れています。
ですが、現状では全てが緩和され、元通りになったとは言えません。
病院や火葬場、斎場ごとに、感染リスク対策や考え方が異なり、その施設の指示に従った対応になるのです。
どの施設でも、リスク回避をしたいのは当たり前です。
ですが、遺族のことを考えれば、できる限り死と向き合える場面を設けてあげたいのも本音です。
まだまだ、全てが希望通りになる訳ではありません。
今の状況を把握して頂き、出来うる限りの対応になってしまう状況であることをご理解下さい。
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しかし、分からないからこそ、後々トラブルの原因にもなってしまいます。
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これが、葬儀の2大トラブルであり、クレームの大半だと言えます。
そんな葬儀トラブルを回避するためにも、葬儀の準備は事前に行うことが大切なのです。
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